人の体重の0,2%は塩分(塩化ナトリウム)だ。犬も哺乳類であり、塩分濃度は同じだ。
AAFCO(米国飼料検査官協会)がドッグフードの栄養基準として示している塩分量は「ドッグフード100g中に最低0.2gの塩分」だ。哺乳類の体内の塩分濃度と同じだ。
最大値は書いてない。つまり、塩分が害があるとは書いてない。
AAFCOの基準には最低量だけが示されている。それ以下だと、心臓の機能が阻害され、生命の維持が危ない。つまり、心臓は細胞外液という塩分濃度0,9%の体液で収縮運動を繰り返して鼓動している。生理食塩水の濃度も0,9%だ。詳細は「
手作り食餌は愛犬の塩分不足に注意! 」に記述してある。
人などの哺乳類は体重の約60%は水だ。つまり、体液だ。その体液は細胞内液が40%で、細胞外液が20%の割合だ。塩化ナトリウムは外液に0.18%、内液に0,02%含まれている。合計で、体重の0,2%の塩化ナトリウムが含まれていることになる。
日本人は一日に平均して塩分15~16g、水2,500mlを摂取している。それを次のような割合で水分を排出している。犬は発汗しないで、呼気からの水分発散が増える。
尿から60%、呼気から20% 、皮膚から16%、糞便から4%
人がみそ汁をおいしいと感じる塩分濃度は上記と同じ0,9%前後の濃度だ。塩分を摂りすぎると、腎臓で分離されて尿として排出される。発汗すると、塩分も排出される。
ところが、犬については発汗しないので、犬に塩分は有害だという風説風評が意図的に流されている。犬に人の食べ残しなどを食べさせないで、ドッグフードを売り込みたいからだ。悪質な知能犯だ。生理学には無知蒙昧な連中だ。
犬も人と同じ哺乳類であり、過剰な塩分は腎臓の機能で排出される。犬は人とは違い、腎臓では塩分の排出ができないとでも言うのか。馬鹿げた話だ。
有名な獣医などが本や雑誌などで、犬塩分有害論を書いている。人も高血圧の人は塩分が少ない方がよいことは周知のことだが、犬については塩分不要か有害説がまかり通っている。
動物に塩分が不足すると、心臓の機能が異常を来すことは生理学の常識だ。それを知らない獣医がいるとは情けない。科学的知見がないのか、ドッグフードを売って儲けたいためにウソを言っているのか。いずれにしろ、まともではない。日本の愛犬の世界は低俗で非科学的な世界だ。
有史以前から、犬は人の食べ残しを食べて長生きしてきた。長寿犬の飼い主の多くは、愛犬がドッグフードを食べないので、人と同じものを食べさせていると異口同音に言う。
愛犬のパナは鶏の手羽先等の100%肉食なので、その中に含まれている塩分で十分だと思っているが、たまに、人の食事の牛肉や豚肉を食べさせることがある。味が付いているのを喜んで食べる。チ-ズも塩気のある人用のものを一緒に食べている。
野菜類を全く食べないが、健康で元気だ。食べ放題なのに肥満ではなく、スマートだ。
愛犬の世界は魑魅魍魎の妖怪のすむ伏魔殿だ。何が正しい情報なのか、愛犬家ひとり一人が自分の頭でものを考えることが大切だ。
参考随想
1
犬塩分不要論のお粗末な誤り!
2
愛犬に塩分はほんとに害か?
3
塩分や香辛料は愛犬にほんとに害があるか?
(東京の公園で会った愛犬達の写真集です。お時間のある方はどうぞ。)
公園でノーリードで遊ぶ愛犬たちや珍しい愛犬たちの写真集